休憩時間などについての報告 [参考]

2016年2月3日


 


休憩時間・深夜残業手当をめぐる成り行きについて


 


建交労東宝サービスセンター分会


書記長 松 田 隆 浩


 


 


昨年1月に、東宝スタジオ事業所で、38才の設備業務責任者が、勤務中に虚血性心不全で死亡したことをきっかけにして、渋谷労働基準監督署から監査が入り、是正が命じられたことは、すでにお伝えしたとおりです。


36条協定が守られていない点について是正が、休憩時間があいまいな点について指導が、残業時間が長い労働者に産業医との面接の機会を与えるように指導がされたと聞いています。


会社はこれを受けて、一昼夜連続勤務のところどころに「無給の休憩時間」を設けて、深夜時間外労働が減ったように見せる「改善策」を打ち出し、東宝スタジオ事業所に7月から導入しました。


 


中野事業所には、1991年に「日勤8時間拘束8時間労働、一昼夜連続勤務24時間拘束16時間労働、22時以降は深夜時間外手当を支払う」旨の「覚え書き」があります。食事をしてくつろいでいられるとしても、ベルが鳴れば直ちに出動しなくてはならないのでは、無給の休憩時間とは認められないと労使で合意したのです。その当時には、夜間仮眠をしている時間も労働時間ではないかという議論はありませんでした。


大星ビル管理事件が起きて、仮眠時間をどうしたらよいのかが研究されました。建設一般(当時)東宝サービスセンター分会は、「賃金の請求権はあるようだが、満額支払わせると会社の経営が立ち行かなくなる」と考え、一定の「仮眠手当」を貰うこと、判決確定・新たな立法・行政指導などがあれば、労働時間全体を仮眠時間も含めて協議するという協定を結びました。


その後、日立研究所の残業拒否解雇事件で、「有効な36条協定があれば、その範囲の残業指令に労働者は従わなくてはならない」という最高裁判例が出ました。


分会は当時、年間550時間の協定を結んでいましたが、それは「550時間残業します」という約束ではなく、たまたま時間数が増えても550時間までは会社は罰せられないように配慮したものでした。しかし、550時間の残業をするのが「義務」と言うことになれば話は違います。分会は協定を破棄し、「時間外労働指令を拒否しても労働者を不利益に取り扱わない」という労働協約を求めて交渉し、二年かかりましたが最終的に勝ち取りました。


すなわち、建交労の組合員は残業を断ってもまずいことはないが、そうでない人たちは解雇もありうるということです。


 


会社が始めに提案してきたのは、「昼休みなど休憩時間を取ってもらう。現場ごとに示すタイムスケジュールに従って勤務してもらう。休憩時間は無給なのでその分深夜時間外手当が減る(深夜割り増し手当は残る)。宿直手当を増額する。11月から実施する。」というものでした。


建交労とJEC連合は、共同して「就業の実態が変わらないのに残業代だけが減るのはおかしい」と異議を申し入れ、交渉しました


両組合の激しい抵抗があって、会社は11月実施を断念し、次善の策を提案してきました。


それは、「現在すでに雇われている従業員については、減額分を15年12月の単価で、退職まで補填する。ただし昇給があっても増額しない。残業が少ない現場に異動した場合はそれに応じて減らす。多い現場に異動しても増やさない。定年になり基本給が減った場合はそれに応じて減らす。会社は、休憩時間が取れないものとして今まで時間外手当を払ってきたが、本来支払う義務のないものと考えている。しかし、労働側から「就業の実態が変わらないのに残業代だけが減るのはおかしい。それをあてにして生活している従業員が多い。」との主張があり、配慮したものだ。」というものでした。


 


建交労とJEC連合は協議をして、「補填は当然だが、昇給しても増額しないのは不当だ。異動の際の扱いもおかしい。今後採用される従業員については、格差が生じることになる。」と異論を唱えました。 


2月3日にツインタワー設備業務責任者として、会社の説明を受けたところ、「異動の際には異動先の基準時間数で再計算する。基準となる単価は16年1月とする」と会社方針が変更されました。


これにより、現在の従業員がこうむる被害は「昇給があっても単価は増やさない。」というとになります。もっとも3月1日以降採用された従業員は、なんの補填も無いわけですから、「割安」な労働条件となり、これは将来大きな問題になりそうです。


 


会社は、今回の措置について、労働組合との合意を求めていません。もっとも求められたら、拒否しなくてはなりません。 


会社は、「休憩時間は取れてるんだから、無給で良いでしょ?」と言いますが、ベルがなれば直ちに出動する側としては異論があります。


 


状況を見極めるため延期されていた定期大会を、3月3日18:30より、建交労東京都本部会議室で開催します。


別途、招集の案内を送ります。


                          以 上


 


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